熟練介護士の悩み「普段と違う態度や行動に出たときにはどうすればいい」7編

問題行動

介護職をしている男性30歳のミツヒコです。
実務者研修を取得したので、もうすぐ介護福祉士を取得したいと思っております。

 

介護の施設で働いて5年になるのですが、利用者の問題行動でどう対処したらいいのか悩まされています。

 

正社員で働いているのですが、施設の方針や人間関係に嫌気がさし、辞めて転職を考えています。
時間や休日も自由にできる派遣社員を考えているのですが、よい派遣会社はないですか?

「なぜこんなことをするのかしら」
「どうしてこんなことを言うんだろう」

施設で介護しているとスタッフからよく聞く言葉ですね。

昼夜を問わず、あてもなくうろうろと歩きまわったり、現実的でない内容に判断してしまったり、暴言や暴力など突発的な行動によって、スタッフの負担が高まります。

なぜこんなことをするのかという正しい理解があれば、納得がいき、疲れやいらだちを和らげることができるかもしれません。

今回は、困った行動にどのように向き合えば良いのかを解説していきます。
利用者さんとの良い関係性を維持するためのヒントにしてください。

自分のそばに物を集める

90歳の利用者さんなのですが、スタッフから見るとゴミのようなものでも、
捨てずに自分の部屋の中に集めておきます。

これもあれも、私にとっては大切な思い出の品だもの、
大事にとっておきたい!

理由
ゴミのようなものでも、大切な思い出のある品物で、もったいなくて捨てられないという心理があるのです。

介護者の感覚と判断で片づけない

利用者さんはモノを大切にする気持ちが強く、物に過去の思い出を刻みつけている場合もあります。

 

介護者の感覚と判断で勝手に捨ててしまうと、たいへん傷つきます。
勝手に片付けるのはやめましょう。

 

ティッシュに愛着をあるな、これがあると安心なの!

理由
あるものにこり始めて、それがいつも身近にないと不安だ、という心理状態で、認知症の一つの症状です。

行動を禁止しないで見守ろう

周囲の人から見て汚いものでも、それを身近におくことによって安心感を持つなら、あえて片付ける必要はありません。

 

認知症が原因の場合は説明してもわかってもらえませんから、危険がない限り見守っていましょう。

詳しい解説 自分のそばに物を集める

年齢を重ねるにつれて、私たちの人生は大切な思い出の宝庫となり、それぞれの瞬間が刻

 

んでいきます。

高齢者にとって、この感情は、自分にとって深い意味を持つ、一見些細なアイテムを収集するときに、具体的な形になることがよくあります。

これらのコレクションは、他の人にとっては乱雑またはゴミのように見えますが、実際には、記憶と感情の貴重な宝庫です。

介護者や家族の当惑した視線や眉を上げたにもかかわらず、他の人が何も考えずに捨ててしまうかもしれない物をしっかりと握り続ける高齢者の世界を掘り下げます。

なぜこれらのコレクションが彼らにとってそれほど重要なのでしょうか? 部外者がガラクタとみなすものに対する一見不合理な執着の根底にあるものは何でしょうか?

答えは、これらのアイテムが持つ深い感情的価値にあります。

高齢者にとって、これらの物体は単なるゴミではなく、大切な瞬間の器、充実した人生の証なのです。色あせた写真、思い出に残る旅行の装身具、心のこもった言葉が書かれた手紙など、それぞれの作品がコレクターの心に深く響くストーリーを伝えます。

この記事では、高齢者の持ち物を尊重する必要性、特定の物品への愛着に認知症が関与している可能性がある場合にどのようにアプローチするかを解説していきます。

集める意義

ゴミや雑然としたものとして片付けられることが多い、一見取るに足らない物でも、高齢者にとっては深い価値を持っています。

これらのコレクションの背後にある重要性を理解するには、この行動の根底にある感情的な愛着と心理をより深く理解する必要があります。

思い出の保存

高齢者にとって、これらのアイテムは過去への具体的なリンクとして機能し、時間の経過とともに薄れてしまう可能性のある思い出を保存します。

若い頃に夫婦の間で交換された、古くてボロボロのラブレターを考えてみましょう。コレクターにとって、それは彼らがかつて分かち合った情熱と愛を凝縮しており、彼らが長年にわたって築いてきた永続的な絆を思い出させます。

アイデンティティの感覚

アイテムを収集することは、高齢者がアイデンティティと継続性の感覚を維持するのに役立ちます。退役軍人はメダル、軍服、戦争記念品を集めているかもしれません。

これらの品物は彼らの奉仕だけでなく、国を守った勇敢な愛国者としてのアイデンティティも表しています。このコレクションは彼らの自尊心と功績を再確認します。

損失への対処

愛する人や友人が亡くなったり、他界したりすると、収集は老後に伴う孤独や悲しみに対処する方法になる可能性があります。

高齢者は、亡くなった友人や家族の大切な思い出となる写真を集めているかもしれません。これらの写真は慰めとつながりの感覚を与えます。

懐かしさと快適さ

集められたアイテムは、懐かしさや安らぎの感覚を呼び起こすことがよくあります。年老いた芸術家は、それぞれが創造的な旅に貢献した古いブラシの箱を保管しているかもしれません。

これらのブラシは、彼らの人生を定義づけた情熱と目的を心地よい思い出させてくれます。

忘れることへの恐怖

高齢者の間では、大切な瞬間や最も大切な人たちを忘れてしまうのではないかという不安があります。アイテムを収集することは、この恐怖に対する安全策として機能します。

家族旅行のポストカードのコレクションは、一緒に過ごした冒険や同行してくれた愛する人たちを思い出させます。

本質的には、これらの一見取るに足らないアイテムは、感情、歴史、アイデンティティの宝庫です。高齢者にとって、それらは乱雑なものではなく、愛、喜び、意味に満ちた過去への命綱なのです。

この感情的な愛着を理解することは、コレクションに関して高齢者にふさわしい敬意と共感を与えるために非常に重要です。

高齢者の持ち物を尊重する

高齢者の持ち物を最大限の敬意と配慮をもって扱うことが最も重要です。

許可なく所有物を処分するという判断や性急な決定を下すことは、彼らの精神的健康に重大かつ悪影響を与える可能性があります。

この点を説明するために、明確で詳細な例を通して、彼らの持ち物を尊重することの重要性を掘り下げてみましょう。

個人的な手紙と通信

個人的な手紙や通信のコレクションを生涯にわたって熱心に保存してきた高齢者を想像してみてください。

それぞれの手紙には物語、友人や家族とのつながり、そして彼らの歴史の一部が含まれています。これらの手紙を同意なしに処分すると、大切な思い出が消えるだけでなく、亡くなった愛する人との絆も断たれてしまうことになります。

写真

写真は過去への窓として機能し、喜び、愛、家族の集まりの瞬間を捉えます。高齢者にとって、思い出が詰まった写真アルバムは、心の安らぎと安心の源となる。

これらの写真を捨てたり、誤って扱ったりすると、人生の最も貴重な瞬間との視覚的なつながりが失われてしまいます。

センチメンタルなオブジェクト

高齢者は、思い出に残る旅行の装身具や世代を超えて受け継がれてきた家宝など、感傷的な品物を収集することがよくあります。

これらのアイテムは、彼らの人生の旅と、彼らが大切にしているつながりを象徴しています。これらを同意なく廃棄すると、喪失感や悲しみが生じる可能性があります。

パーソナルスペースと自律性

部屋や持ち物を含む高齢者の物理的環境は、個人的な空間と自律性の感覚をもたらします。

物を持ち出したり、持ち物について判断したりすることは、子どもの自制心や尊厳を侵害する可能性があります。この侵入は、フラストレーション、不安、自尊心の喪失につながる可能性があります。

高齢者の持ち物は、物質的な所有物そのものをはるかに超えています。

それは彼らのアイデンティティの感覚、過去とのつながり、そして彼らの精神的な幸福に触れます。許可なく持ち物を処分すると、悲しみ、怒り、無力感を引き起こす可能性があります。

高齢者を真にサポートするには、高齢者の生活における所有物の重要性を認識し尊重し、彼らにふさわしい敬意と配慮を持って扱う必要があります。

認知症に関連した行動への対処

認知症は、個人の認知機能と行動機能に重大な影響を与える可能性がある複雑な状態です。

高齢者に観察されるいくつかの収集行動は、確かに認知症と関連しています。

認知症が状況を十分に説明したり理解したりする能力を妨げる可能性があることを認識し、理解と共感を持ってこれらの行動に対処することが重要です。

わかりやすい例を使ってこれを詳しく見てみましょう。

溜め込み行為

認知症の人は、他人には無意味に見えるアイテムを過剰に集めてしまう、

溜め込み行動を示すことがあります。たとえば、認知症の高齢者は新聞をため込んで、生活空間全体に積み上げている可能性があります。

彼らにとって、各新聞は、たとえ理由を思い出せなくても、情報と親しみの必要性を表しています。

アクションの繰り返し

認知症は、同じものを繰り返し収集するなど、反復的な行動を引き起こす可能性があります。一例として、庭から石を拾い続けて家の中に持ち込む高齢者が挙げられます。

彼らにとって、それぞれの岩は独自の意味を持っているかもしれませんが、認知機能が低下しているため、その理由を説明することができません。

価値を見分けることができない

認知症は判断力や、物の価値や有用性を見分ける能力を損なうことがよくあります。

認知症の人は、ゴミ箱から捨てられた物体に固有の価値があると信じて拾う場合があります。

これには、壊れた道具や腐った食べ物など、彼らが保管しておく必要があるものが含まれる可能性があります。

説明の難しさ

認知症はコミュニケーションスキルに影響を与える可能性があり、個人が自分の収集行動を説明することが困難になります。

彼らは、一見取るに足らないアイテムがなぜ自分にとって意味があるのか​​をうまく説明するのに苦労するかもしれません。

これは、自分が感じている感情的な愛着を伝えることができないため、フラストレーションにつながる可能性があります。

安全性の懸念

認知症に関連した収集行動は、転倒の危険を引き起こす物の蓄積や腐った食べ物の保持など、安全上のリスクを引き起こす可能性があることを認識することが重要です。

このような場合、潜在的な危険を理解し、敏感に対処することが重要です。

認知症の人は自分の行動の背後にある理由を完全に理解していない可能性があるため、共感を持ってこれらの行動に取り組むことが不可欠です。

彼らに説得しようとしたり、収集したアイテムを強制的に処分しようとしたりすると、苦痛や混乱が生じる可能性があります。

代わりに、介護者は安全を優先すると同時に、その行動を引き起こす根本的な感情的ニーズを理解するよう努めるべきです。

認知症により説明が困難または不可能になった場合は、安全な環境を維持し、快適さを提供することが第一の焦点となるべきです。

結論

高齢者の収集行動は、他人にとっては取るに足らないものに見えても、人生において深い意味と重要性を持っています。これらのコレクションは単なる乱雑なものではありません。

それらは大切な思い出の宝庫であり、アイデンティティの象徴であり、快適さとつながりの源です。介護者や家族として、私たちが敬意と理解を持ってこれらのコレクションに取り組むことが不可欠です。

許可なく物品を判断したり処分したりすると、高齢者の精神的および感情的な健康に壊滅的な影響を与える可能性があります。

それは彼らの歴史を消去し、過去とのつながりを断ち切り、深刻な苦痛を引き起こす可能性があります。

さらに、認知症が要因の場合、認知症の人が自分の行動を説明する際に直面する課題を認識し、共感を持って収集行動に取り組むことが重要です。

本質的に、私たちは高齢者の精神的健康だけでなく安全のためにも、高齢者のコレクションの保存を優先しなければなりません。

これらのコレクションを尊重し、理解することは、彼らの人生の豊かにする私たちの愛と敬意の具体的な表現であり、それによって彼らは彼らが大切にしている思い出の中に意味と慰めを見出し続けることができます。

まとめ

突発的な行動にでる利用者さんを対処する方法をお伝えしてきました。
いかがだったでしょうか?

利用者さんの満たされない思いや不安、恐怖など、行動の奥にある思いに気付き、心を癒やすような関わり方をすれば、穏やかに過ごしていただくことができます。

利用者さんの心の内を早く気付くことができたら、熟練介護士として素晴らしさことだと思います。まず、笑顔で接することを心がけてください。

不安や混乱のさなかにある利用者さんにとって、厳しい言葉や態度を向けられることは、恐怖以外の何ものでもありません。

追い詰められて、困った行動がエスカレートしてしまうことも考えられます。
反対に、にっこりと笑って穏やかに話しかけると、笑顔を返してくれることが多いです。

こちらの気分や雰囲気は伝わりますから、ゆったり構えて、そっと様子を見守るのもひとつの方法です。

向き合う姿勢を変えることで、機嫌が良くなる場合もあります。

利用者さんをお世話するスタッフには本当に大変だと思いますが、なるべくおおらかな気持ちで、安心感を与える言葉や笑顔を心がけてみてください。

熟練介護士だからこそ、いろんな介護経験を積んでいかなくてはなりません。
1つの施設でずっと何年も仕事をしているとモチベーションが下がりますし、成長もできません。

いろいろ経験を積むために、派遣社員で働くのはいかがですか?
「かいご畑」では介護派遣の求人や応援制度を紹介している記事があるので、興味がある方はこちらをご覧ください。


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