熟練介護士の悩み「認知症による問題行動に出たときにはどうすればいい」3編

問題行動

 

介護職をしている女性30歳のミツコです。
実務者研修を取得したので、もうすぐ介護福祉士を取得したいと思っております。

 

介護の施設で働いて5年になるのですが、利用者の問題行動でどう対処したらいいのか悩まされています。

 

正社員で働いているのですが、施設の方針や人間関係に嫌気がさし、辞めて転職を考えています。

 

時間や休日も自由にできる派遣社員を考えているのですが、よい派遣会社はないですか?

 

「なぜこんなことをするのかしら」
「どうしてこんなことを言うんだろう」

施設で介護しているとスタッフからよく聞く言葉ですね。
昼夜を問わず、あてもなくうろうろと歩きまわったり、現実的でない内容に判断してしまったり、暴言や暴力など認知症の問題行動によって、スタッフの負担が高まります。

なぜこんなことをするのかという正しい理解があれば、納得がいき、疲れやいらだちを和らげることができるかもしれません。

今回は、困った行動にどのように向き合えば良いのかを解説していきます。
利用者さんとの良い関係性を維持するためのヒントにしてください。

便器の中で手を洗う

歩行には何ら支障のない利用者さんなのですが、あるとき気がつくと、便器の中のたまり水で手を洗っていました!!

水があるところで手を洗っているだけなのに、どうして叱られるの?

理由
水のあるところで手を洗うということは理解しても、便器と洗面器の区別ができなかったのです。

具体的な指示を繰り返してあげる

物事を識別する能力がかなり衰えていると考えられます。

 

叱らずに、「次からはここで洗ってくださいね」など、具体的な指示を繰り返したり、手を洗うイラストを貼ってあげるのもよいでしょう。

記憶力や判断力が衰えるとこんなことが起こります
記憶力や判断力が衰えるのは、年老いて脳細胞が減少するからです。

きれいなものきたないものの区別がつかない。
人の顔を忘れていて、家族も分からなくなる。
お金や物のあるところや自分のいる場所が分からなくなる。

ということが起こります。

家族はいざというときにあわてないよう、前もって心得ておきましょう。

詳しい解説 便器の中で手を洗う

 

加齢に伴い、脳細胞の機能が低下するため、記憶力や判断力が低下することがあります。

この低下はさまざまな形で現れる可能性があり、区別したり、重要な詳細を記憶したりする能力に影響を与えます。

この記事では、記憶力と判断力の低下がもたらす影響を探り、人生のこの困難な時期に家族がどのように備え、愛する人をサポートできるかについて説明します。

日常業務における混乱

便器での手洗いに関する逸話

これまで日常的な作業を行うことに何の困難もなかった人が、便器のよどんだ水の中で手を洗っているのが観察されるというシナリオを想像してください。

この一見奇妙に見える行動は懸念を引き起こし、なぜ誰かがそのような異常で不衛生な行為をするのかという疑問を引き起こします。

この逸話は、認知機能の低下が始まると起こり得る課題を痛切に示しています。

認知機能の変化を経験している人にとっては、手を洗うという単純な行為のように見えても、複雑な試練となります。すぐに批判するのではなく、理解と共感の必要性を強調しています。

認知機能の低下を認識することの重要性

この逸話から得られる重要なポイントは、加齢に伴う愛する人、友人、さらには自分自身の認知機能の低下を認識することの重要性です。

認知機能の低下は老化プロセスの自然な一部分であり、記憶力、意思決定、日常業務に影響を与える可能性があります。しかし、気づかれなかったり、物忘れと間違われたりすることもよくあります。

認知機能の低下を認識することは、早期の介入とサポートを可能にするため非常に重要です。

これにより、個人とその家族が課題に対処し、ライフスタイルを調整して良好な生活の質を維持できるようになります。

忍耐と具体的な指示の必要性

認知機能の低下を示している人に直面した場合、忍耐は極めて重要な美徳となります。個人の行動を叱ったり責めたりするのではなく、理解と共感を持って状況に対処することが重要です。

このような状況に対処する実際的な方法の 1 つは、具体的な指示を提供することです。例えば、便器で手を洗っている人に対して、叱るのではなく、「次はここで手を洗ってください」と、適切な洗面器を指差しながら優しく誘導することができます。

このアプローチは、個人が正しい手順を理解し、従うのに役立ちます。

忍耐とサポートを組み合わせた具体的な指示は、認知機能低下のある人が日常業務を遂行しながら自立と尊厳を維持するのに役立ちます。

これは、高齢化と認知能力の低下という課題を乗り越える際に、彼らの健康と快適さを確保するための思いやりのある方法です。

加齢に伴う記憶力と判断力の低下

認知機能低下の生物学的根拠を理解する

加齢に伴う認知機能の低下は、多くの場合、脳の構造と機能の変化に関連しています。個人が年齢を重ねるにつれて、次のようないくつかの生物学的要因がこれらの変化に寄与します。

ニューロンの損失:時間の経過とともに、ニューロン (脳細胞) が徐々に減少し、認知処理速度と効率の低下につながる可能性があります。

神経伝達物質の変化:アセチルコリンやドーパミンなどの神経伝達物質レベルの変化は、記憶機能や認知機能に影響を与える可能性があります。

脳の縮小:老化は、特に海馬や前頭前皮質などの記憶と意思決定を担う領域の軽度の脳萎縮と関連しています。

記憶力の低下が日常生活に与える影響

記憶力の低下はさまざまな形で現れ、個人の日常生活に影響を与えます。

物忘れ:名前、約束、持ち物をどこに置いたかを忘れることが多くなります。
学習の難しさ:新しい情報やスキルの学習には時間がかかり、より多くの努力が必要になる場合があります。

回復の問題:過去の詳細を思い出すのは困難になる場合があります。

たとえば、高齢者は車のキーの場所や買おうとしていた食料品の場所を思い出せなくて、イライラや不便を感じる可能性があります。

判断力の低下が意思決定に及ぼす影響

判断力の低下は、人生のさまざまな分野で健全な意思決定を行う個人の能力に影響を与える可能性があります。

リスク評価:高齢者は、特定の活動や投資に関連するリスクを正確に評価することが難しい場合があります。
財務上の決定:判断力が低いと、浪費や賢明でない投資などの財務管理の誤りにつながる可能性があります。
社会的相互作用:高齢者は社会的な判断に苦戦する可能性があり、誤解や対立につながる可能性があります。

たとえば、高齢者は、貯金を危険にさらすような衝動的な経済的決定を下したり、判断力の低下を利用して誰かを信頼したりする可能性があります。

認知機能低下のこれらの側面を理解することは、加齢に伴う記憶力や判断力の変化を経験している本人とその介護者の両方にとって非常に重要です。

これにより、これから待ち受ける課題に対するより良い準備が可能になります。

認知機能低下による日常生活への影響を軽減する認知トレーニング演習やライフスタイルの修正などの早期介入戦略が奨励されます。

区別と認識の喪失

美しい物体と平凡な物体を区別できない

加齢に伴う認知機能の低下により、美しい物体と平凡な物体を区別する能力など、微妙な区別が困難になる場合があります。この課題は、知覚および認知プロセスの変化に起因すると考えられます。

例えば

年配の人は、2 つの絵画の美的な違いを理解するのに苦労し、同じように魅力的か魅力的でないかを認識するかもしれません。

家庭用品や衣類のデザインのニュアンスを見極めるのが難しく、自分の好みと合わないものを選んでしまうことがあります。

美や美学を区別する能力のこの喪失は、個人の芸術、ファッション、日常環境の楽しみに影響を与える可能性があります。

顔を忘れたり、家族を認識できなくなる

認知機能の低下により、親しい家族や友人の顔を含め、顔を認識することが困難になることがあります。

相貌失認または「顔面失明」として知られるこの現象は、感情的に困難を伴い、社会的不快感を引き起こす可能性があります。

例えば:

高齢者は、たとえ何年も前から知っていたとしても、孫を認識するのに苦労するかもしれません。

見慣れない顔を区別するのが難しく、社会的な交流が困難になる場合があります。

この顔認識の喪失は、孤立感や当惑感につながり、人間関係や社会的関与に影響を与える可能性があります。

持ち物の置き忘れと見当識障害

持ち物の置き忘れと見当識障害の経験は、認知機能低下の一般的な結果です。この問題はいくつかの形で現れる可能性があります。

鍵、メガネ、重要な書類をどこに置いたか忘れてしまい、イライラして検索に時間がかかってしまうこともあります。

自分の家のような慣れ親しんだ環境であっても見当識を失い、混乱や不安を引き起こす可能性があります。

持ち物の置き忘れや見当識障害により、日常生活が混乱し、無力感や不安感が生じることがあります。

これらの課題を認識することは、個人とその介護者にとって非常に重要です。

これは、一般的に使用されるアイテムにラベルを付ける、一貫したルーチンを維持する、安全で協力的な環境を確保するなどの戦略を実行することの重要性を強調しています。

さらに、このような困難を経験している人々が認知機能低下の複雑さを乗り越える際に、忍耐と共感が必要であることを強調しています。

認知機能低下への対処

 家族の積極的なサポートと認識

愛する人が認知機能の低下を経験している場合、家族の積極的なサポートが不可欠です。このサポートには以下が含まれます。

理解と共感:家族は認知機能低下の性質とその影響について学ぶ必要があります。この理解は、忍耐と共感を持って状況に対処するのに役立ちます。

オープンなコミュニケーション:影響を受けた本人と家族の間でオープンで正直なコミュニケーションを奨励することで、協力的な環境が生まれます。

懸念事項や課題を共有することで、より良い解決策が得られる可能性があります。

自主性の尊重:サポートは非​​常に重要ですが、個人の自主性と独立性を可能な限り尊重することも同様に重要です。安全に管理できる活動を続けるよう子供たちを励まします。

例: 家族の一員が記憶力に悩んでいる場合、家族はすべての責任を引き受けるのではなく、リマインダーを設定したり、タスクを整理するのを手助けしたりするかもしれません。

緊急事態への備えとパニックの予防

認知機能が低下している人は脆弱性が高まっているため、緊急事態への備えとパニックの予防が不可欠です。

緊急時計画:医療上の問題、停電、または自然災害が発生した場合に何をすべきかについて、本人および他の家族とともに明確な緊急時計画を作成します。

緊急連絡先:緊急連絡先のリストを維持し、関係者全員が緊急時の連絡先を確実に把握できるようにします。

定期的なチェックイン:個人の健康と幸福を監視するために、定期的なチェックインまたはウェルネス訪問をスケジュールします。

例: ある家族には、近くに住んでいる指定された家族がいて、その人の安全と幸福を確保するために定期的にその人の様子を確認する責任を負っている場合があります。

記憶力と判断力の低下を管理するための戦略

個人がより充実した生活を送るのに役立つ、認知機能の低下を管理するためのさまざまな戦略があります。

リマインダーと補助具の使用:カレンダー、薬オーガナイザー、デジタル リマインダーなどのツールを使用すると、個人が重要なタスクや予定を覚えておくのに役立ちます。

医学的アドバイスと認知療法を求める:老年病専門医や神経心理学者などの医療専門家に相談することで、早期診断と個別の介入につながる可能性があります。記憶訓練などの認知療法は、低下を遅らせるのに役立ちます。

健康的なライフスタイルの奨励:身体的な運動、バランスの取れた食事、社会的関与を促進すると、認知機能と全体的な幸福度が向上します。

例: 認知機能の低下のある人は、認知療法士が推奨するパズル、頭脳ゲーム、エクササイズなどの構造化された記憶強化プログラムに参加する可能性があります。

認知機能の低下に対処するには、理解、サポート、実践的な戦略の組み合わせが必要です。

支援的な環境を育み、緊急事態に備え、効果的な管理戦略を実行することで、個人とその家族は、回復力と尊厳を持って認知機能低下の課題を乗り越えることができます。

結論

老化の自然なプロセスは、多くの場合、記憶力と判断力の喪失をもたらし、自立した充実した生活を送る個人の能力に影響を与えます。

しかし、これらの認知変化の影響を認識し、積極的な対策を講じることによって、個人とその家族は生活の質を大幅に向上させることができます。

特に家族は、理解、共感、忍耐を提供することで、この旅において重要な役割を果たします。

物忘れや判断力の低下など、認知機能低下の兆候を認識することで、早期介入と個別のサポートが可能になります。

明確なコミュニケーションチャネルを確立し、自主性を尊重し、愛情に満ちた環境を育むことは、愛する人たちがこれらの課題を乗り越えるために不可欠です。

さらに、緊急事態に備え、記憶補助や医療相談などの実践的な戦略を採用することで、認知機能低下の影響を軽減することができます。

最終的な目標は、認知機能の低下を経験している個人ができるだけ長く尊厳と自立を維持できるようにすることです。

家族の積極的なサポートと、認知の変化を管理するための積極的なアプローチがあれば、回復力と優雅さを持って老化の課題に立ち向かうことが可能になります。

まとめ

認知症の問題行動にでる利用者さんを対処する方法をお伝えしてきました。
いかがだったでしょうか?

利用者さんの満たされない思いや不安、恐怖など、行動の奥にある思いに気付き、心を癒やすような関わり方をすれば、穏やかに過ごしていただくことができます。

利用者さんの心の内を早く気付くことができたら、熟練介護士として素晴らしさことだと思います。まず、笑顔で接することを心がけてください。

不安や混乱のさなかにある利用者さんにとって、厳しい言葉や態度を向けられることは、恐怖以外の何ものでもありません。

追い詰められて、困った行動がエスカレートしてしまうことも考えられます。
反対に、にっこりと笑って穏やかに話しかけると、笑顔を返してくれることが多いです。

こちらの気分や雰囲気は伝わりますから、ゆったり構えて、そっと様子を見守るのもひとつの方法です。向き合う姿勢を変えることで、機嫌が良くなる場合もあります。

利用者さんをお世話するスタッフには本当に大変だと思いますが、なるべくおおらかな気持ちで、安心感を与える言葉や笑顔を心がけてみてください。

熟練介護士だからこそ、いろんな介護経験を積んでいかなくてはなりません。
1つの施設でずっと何年も仕事をしているとモチベーションが下がりますし、成長もできません。

いろいろ経験を積むために、派遣社員で働くのはいかがですか?
「かいご畑」では介護派遣の求人や応援制度を紹介している記事があるので、興味がある方はこちらをご覧ください。

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