熟練介護士の悩み「普段と違う態度や行動に出たときにはどうすればいい」1編

問題行動

介護職をしている男性30歳のミツヒコです。
実務者研修を取得したので、もうすぐ介護福祉士を取得したいと思っております。

 

介護の施設で働いて5年になるのですが、利用者の問題行動でどう対処したらいいのか悩まされています。

 

正社員で働いているのですが、施設の方針や人間関係に嫌気がさし、辞めて転職を考えています。
時間や休日も自由にできる派遣社員を考えているのですが、よい派遣会社はないですか?

「なぜこんなことをするのかしら」
「どうしてこんなことを言うんだろう」

施設で介護しているとスタッフからよく聞く言葉ですね。
昼夜を問わず、あてもなくうろうろと歩きまわったり、現実的でない内容に判断してしまったり、暴言や暴力など突発的な行動によって、スタッフの負担が高まります。

なぜこんなことをするのかという正しい理解があれば、納得がいき、疲れやいらだちを和らげることができるかもしれません。

今回は、困った行動にどのように向き合えば良いのかを解説していきます。
利用者さんとの良い関係性を維持するためのヒントにしてください。

施設に閉じこもり外に出たがらない

軽い認知症がみられる利用者さんなのですが、部屋の中に閉じこもって、誰がさそっても外に出たがりません。

この間ちょっと外に出てみたら、街並みがすっかり変わってしまって、迷子にならないか心配だった

理由
街並みが変わってしまったことで土地カンがなくなり、施設に戻れるかどうか不安で外出をしたがらないのです。

散歩には一緒に同行しよう

年をとってから道に迷ったり、バスを間違えたりした経験があると、とたんに引きこもってしまいます。

 

「花が綺麗なので、一緒に見に行きませんか」などと声をかけ、一緒に同行して外出するようにしましょう。

 

外出したらトイレは大丈夫だろうか。途中でトイレに行きたくなったらどうしよう

理由
外出が嫌いなわけではなく、トイレが近いために失禁が心配で外に出たがらないのです。

ケア用品を使って外出を

失禁が心配で部屋の中にいては、気分も晴れず孤独におちいります。

 

今は、失禁パッドやリハビリパンツ、トレーニングパンツなど、つけていることがわからない商品がたくさんあります。

 

それらを利用して、気楽に出かけてみましょう。

解説 患者が外出をためらう理由

 

1 患者の最初の拒否

軽度の認知症患者は、自室に閉じこもりがちな傾向があり、たとえ誘われても外に出ることに強い抵抗感を示します。この行動は、介護者にとっても家族にとっても困惑し、困難を伴う可能性があります。

理論的根拠

外出に対するこの抵抗の根本原因は、多くの場合、患者の認知状態と環境の認識に起因する可能性があります。

この消極的な背景の主な理由の 1 つは、周囲の街路や施設外の環境の変化による患者の違和感と不安です。

たとえば、

同じ施設で数年間暮らしている患者を想像してみてください。彼らは、近くの通りや背景など、周囲の環境に慣れてきました。

しかし、都市開発や建設工事により、かつて認識していた通りやランドマークが大きく変わってしまうこともあります。

軽度の認知症の人にとって、これらの変化は方向感覚を失い、苦痛を与える可能性があります。

また、以前は近くの公園や庭園へのよ​​く知られたルートだった通りが改修または変更され、患者が認識したり移動したりすることが困難になっている可能性があります。

慣れ親しんだことが突然失われると、患者は道に迷ったり、施設に戻る道が見つからなくなるのではないかと心配したりするため、不安や不確実性の感情につながる可能性があります。

この不安と道に迷うことへの恐怖の結果、患者は安全で安心できる自分の部屋の範囲内にとどまることを選択する場合があります。

屋外環境を混乱や潜在的な危険と結びつけるため、屋外への誘いに抵抗する場合があります。

つまり、患者が最初に外出を拒否したのは、認知の問題、特に環境の変化に適応することが困難であることが原因です。

この理論的根拠を理解することは、介護者や家族が共感を持って状況に対処し、患者がより快適に、自信を持って外出できるようにするための戦略を見つけるために重要です。

2 患者の付き添いに関する提案

軽度の認知症患者に外出を促すための効果的な戦略の 1 つは、散歩や野外旅行に個人的に同行することです。

この単純な行為は、患者の健康に大きなプラスの効果をもたらす可能性があります。

理論的根拠

この提案の根拠は、高齢者、特に認知症の人が一人で外出するときに直面する共通の課題に根ざしています。

彼らの多くは、道に迷ったり、交通機関に乗り遅れたり、見知らぬ場所で移動するのに困難に直面したりした経験があります。

これらの経験は、恐怖、不安の感情を引き起こし、屋外活動から遠ざかる可能性があります。

たとえば、

近くの公園で散歩を楽しんでいた、軽度の認知症のある高齢者のケースを考えてみましょう。

しかしある時、彼らは方向感覚を失い、家に帰る道に迷ってしまったのです。この経験により、彼らは恐怖と弱さを感じました。

その結果、かつては大好きだった場所であっても、外に出ることをますます躊躇するようになりました。

介護者または家族が、患者が一人で外出することに対する不安を認識しています。

これに対処するために、彼らは患者の散歩に同行することにしました。

こうした外出中、介護者は付き添い、安心感を与えてくれます。慣れ親しんだルートに沿って患者を誘導し、安全を確保し、潜在的な危険を回避できるようにします。

このような支援的なアプローチの結果、患者はより安心して外出できるようになり、快適に外出できるようになります。

信頼できる仲間の存在は、道に迷ったり、困難に遭遇したりすることに対する患者の不安を大幅に軽減します。

時間が経つにつれて、屋外活動に対する自信を取り戻し、徐々に屋外活動を楽しめるようになります。

つまり、患者に付き添って外を散歩するという提案は、軽度の認知症の人が自分で外の世界を移動するときに苦痛な経験をしている可能性があるという理解に基づいています。

介護者や家族は、仲間との交流を通じて安心感と安全感を提供することで、これらの人々が自信を取り戻し、屋外活動にまた喜びを見出せるよう支援することができます。

3 仲間との外出を奨励する:

軽度認知症の患者に外出の動機を与える効果的なことの 1 つは、外出の利点を強調し、そうするための魅力的な理由を提示することです。その理由は、咲き誇る花々など、素朴で力強い自然の美しさです。さらに、家族や介護者をこうした外出に参加させると、患者にとってさらに楽しく快適なものになります。

たとえば

花の美しさを際立たせる:花には普遍的な魅力があり、喜びと驚きの感覚をもたらすことが知られています。

花の鮮やかな色、心地よい香り、心を落ち着かせる効果を強調することで、患者に自然の美しさを体験するよう促します。外に出るとこの美しさを間近で見る機会があると説明します。

例:「近くの庭に美しい花がいくつかありますよ。色も香りも本当に素晴らしく、花に囲まれるのは素晴らしい経験ですね。一緒に花を見ませんか? とても素敵ですよ。楽しんでいただけると思いますよ。」

家族や介護者を同行者として外出には家族や介護者を参加させることが重要です。彼らの存在は、仲間になるだけでなく、安心感やサポートも与えてくれます。

例:「みんなで一緒に公園へ出かける計画を立てましょう。みんなで行って、花の美しさを楽しむことができますよ。楽しくてリラックスできる経験になるでしょうね。」

絆の瞬間を共有する家族や介護者と一緒に外出することで、絆を共有し大切な思い出を作る機会が生まれます。それは患者と愛する人たちとのつながりを強化し、安心感と幸福感を育みます。

自然の魅力、特に花の美しさを強調し、家族や介護者を外出に参加させることで、患者が外に出て屋外で得られるポジティブな経験を楽しむよう動機づけることができます。

こうした外出は楽しみを提供するだけでなく、人間関係を強化し、患者の全体的な幸福にも貢献します。

4 トイレへのアクセスに関する懸念

軽度認知症の患者は、特にトイレ施設にアクセスできるかどうか、トイレを使用する必要がある場合はどうすればよいかなど、外出についての懸念や不安を表明することがよくあります。

理論的根拠

こうした懸念の背後にある根拠は、失禁とトイレ施設の近さに対する患者の純粋な不安に根ざしています。

患者が外出をためらうのは、野外活動が嫌いだからではなく、公共の場での失禁に伴う恥ずかしさや不快感を恐れているからかもしれないことを理解することが重要です。

たとえば、

失禁への恐怖です:病状が原因で時折尿失禁を経験する患者を想像してください。

慣れない環境で膀胱をコントロールできなくなるのではないかと心配して、外出することに不安を感じるかもしれません。この恐怖は心を痛め、意気消沈させる可能性があります。

トイレの利用可能性に関する不安:患者は、外出中にトイレ施設の利用可能性についても心配する場合があります。

彼らは、公衆トイレがすぐに利用できなかったり、清潔でなかったり、移動に問題のある人がアクセスしにくいことを懸念しているかもしれません。

懸念事項への対処

こうした懸念を理解することは、介護者や家族にとって非常に重要です。

患者の懸念は正当なものであり、それらに対処するための現実的な解決策があることを患者に安心させることが重要です。

1 つの方法は、清潔で利用しやすいトイレが利用できる場所への外出を計画することです。

また、失禁パッドやリハビリパンツ、トレーニングパンツなどの失禁用品を導入することで、患者さまに安心感を与え、安心してアウトドア活動を楽しんでいただくことができます。

介護者や家族は、こうした懸念を認識し、共感と実践的な解決策を持って対処することで、軽度認知症患者がより安心して外出や屋外活動に参加できるようになります。

全体的な生活の質を向上させることができます。

5 解決策: 失禁ケア製品の使用

失禁に関する懸念に対処するには、失禁パッド、リハビリテーション パンツ、トレーニング パンツなどの特殊な失禁ケア製品の使用を提案し、奨励することが非常に有益です。

これらの製品は、患者の外出時の快適性を高め、部屋に閉じこもることに伴う孤独感を大幅に軽減するための実用的な解決策として役立ちます。

理論的根拠

失禁ケア製品の使用を推奨する根拠は 2 つあります。

快適性の向上:これらの製品は、失禁を効果的に管理および抑制するように設計されており、患者に安心感と自信を与えます。

これを利用することで、事故や恥ずかしさを気にせずに外出することができ、快適性と安心感が大きく高まります。

孤独感の軽減:失禁の心配のために自分の部屋に閉じこもったままになると、孤立感や孤独感が生じる可能性があります。

これらのケア製品を使用することで、患者は屋外活動、社会的交流、家族や介護者との外出に参加できるようになり、孤独感が軽減され、全体的な生活の質が向上します。

たとえば、

失禁パッド:失禁パッドは、通常の下着の内側に着用できる目立たない吸収性の製品です。漏れに対する信頼性の高い保護を提供し、患者に安心感をもたらします。

リハビリテーション パンツ:リハビリテーション パンツは、追加のサポートと保護を必要とする個人向けに設計されています。優れた漏れ制御を提供し、軽度から中程度の失禁を持つ人に適しています。

トレーニング パンツ:トレーニング パンツは、軽度の失禁を持つ人が膀胱機能を制御する能力に自信を取り戻すのに役立つように設計されています。着用者が膀胱制御を練習できるようにサポートを提供します。

これらの失禁ケア製品を提案し、患者の日常生活に組み込むことで、介護者や家族は、患者が失禁に関する懸念を克服できるようにすることができます。

これにより、屋外活動に参加できるようになり、孤独感が軽減され、全体的な生活の質の向上に貢献します。

軽度の認知症患者に外出を促す総合的なアプローチには、下記のような組み合わせが必要です。

  1. 家族や介護者などの同伴者との外出を提案することが重要です。
  2. 失禁やトイレへのアクセスに関する患者の懸念を認識する。
  3. パッド、リハビリ パンツ、トレーニング パンツなどの失禁ケア製品の使用をすすめる。

まとめ

突発的な行動にでる利用者さんを対処する方法をお伝えしてきました。
いかがだったでしょうか?

利用者さんの満たされない思いや不安、恐怖など、行動の奥にある思いに気付き、心を癒やすような関わり方をすれば、穏やかに過ごしていただくことができます。

利用者さんの心の内を早く気付くことができたら、熟練介護士として素晴らしさことだと思います。

まず、笑顔で接することを心がけてください。

不安や混乱のさなかにある利用者さんにとって、厳しい言葉や態度を向けられることは、恐怖以外の何ものでもありません。追い詰められて、困った行動がエスカレートしてしまうことも考えられます。
反対に、にっこりと笑って穏やかに話しかけると、笑顔を返してくれることが多いです。

こちらの気分や雰囲気は伝わりますから、ゆったり構えて、そっと様子を見守るのもひとつの方法です。向き合う姿勢を変えることで、機嫌が良くなる場合もあります。

利用者さんをお世話するスタッフには本当に大変だと思いますが、なるべくおおらかな気持ちで、安心感を与える言葉や笑顔を心がけてみてください。

熟練介護士だからこそ、いろんな介護経験を積んでいかなくてはなりません。
1つの施設でずっと何年も仕事をしているとモチベーションが下がりますし、成長もできません。

いろいろ経験を積むために、派遣社員で働くのはいかがですか?
「かいご畑」では介護派遣の求人や応援制度を紹介している記事があるので、興味がある方はこちらをご覧ください。


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